二尊院の滝行体験|山口・長門の霊峰高滝山で住職と挑む

記事内にプロモーションが含まれています。

「滝行に興味はあるけれど、いきなり山の中でひとり、というのは怖い」。そう感じている方に知っておいてほしいのが、山口県長門市の二尊院(にそんいん)です。

楊貴妃(ようきひ)が漂着したという伝説が残る古いお寺で、滝行を案内してくれるのは山伏(やまぶし)でもある住職その人。舞台は境内ではなく、車で移動した先にある霊峰高滝山(たかたきやま)の、人の手が入っていない自然の滝です。

この二尊院は滝行をはじめ、座禅、写経、腕輪念珠造りなどの日帰り体験や宿坊までをそなえている体験型のお寺です。予約サイトアソビューでの口コミをみると体験自体の満足度は高く、住職のお人柄も素敵という口コミが多数。プランも複数あるので、魅力的なスポットの情報を、この記事で整理してご紹介します。

この記事でわかること
  • 二尊院と、滝行の舞台になる霊峰高滝山がどんな場所か
  • 住職が同行する滝行体験の中身と、当日の流れ
  • 主な3つの予約ルートと、料金が違って見える理由
  • 参加できる年齢・体調の条件と、女性の服装
  • 体験できない時期・アクセス・滝行のあとの過ごし方
目次

二尊院ってどんなお寺?──楊貴妃伝説と、国指定重要文化財の二尊仏

滝行の話に入る前に、お寺そのものを少しだけ。ここを知っておくと、当日の体験がぜんぜん違うものに見えてきます。

大同2年(807年)創建、長州藩の祈祷所だった古刹

正式には龍伏山 天請寺 二尊院といい、現在は真言宗御室派に属しています。長門市の資料や寺伝によれば、創建は大同2年(807年)、伝教大師・最澄の開基と伝えられているそうです。もとは天台宗の寺院で、向津具(むかつく)半島に八つの僧坊と十五の末寺を従えた大きなお寺だったといいます。

その後、江戸時代に長州藩の庇護を受けて宗旨を真言宗に改め、藩の祈祷所となりました。1200年ほどの時間をかけて、宗派も規模も変わりながら続いてきたお寺、ということになります。

「楊貴妃の墓」と伝わる五輪塔と、二体でひとつのご本尊

二尊院がよく知られているのは、楊貴妃が難を逃れて小舟でこの地に漂着したという伝説によるものです。境内の墓地には「楊貴妃の墓」と伝えられる五輪塔があり、山口県の指定文化財。長門市の資料では花崗岩製の3基で、中央の塔は総高153cm、鎌倉時代末期の建造と推定されています。

ご本尊は釈迦如来立像と阿弥陀如来立像。この二体でひとつのご本尊という形が、そのまま寺の名前になっています。どちらも国指定重要文化財で、通常は非公開です(『特別参拝』を申し込めば参拝可能・公式サイトにて)。県指定文化財の四天王像もあり、こちらは東大寺大仏殿の尊像とよく似た姿をしていると紹介されています。

女人守護、安産・子宝・縁結びのご利益で知られ、境内に隣接して中国風の公園「楊貴妃の里」も整備されています。京都・嵯峨野にある同名の二尊院とは別のお寺なので、検索するときは「山口」「長門」を添えると迷いません。

滝行の舞台は、修験霊場の霊峰高滝山

肝心の滝行は、境内では行いません。向津具半島にある高滝山という、修験道(しゅげんどう)の行場(ぎょうば)として知られてきた山まで移動します。

お寺で説明を受けたあと、参加者は各自の車で山のほうへ。ダムの近くまで車で入り、そこからさらに山道を歩いて滝を目指します。公式サイトが「人工物無し」と言い切っているとおり、整備された行場ではなく、あくまで自然の滝です。

つまり水量も水温も、その日の天候次第。ここは人工滝の施設とは大きく違うところだと思っています。貴重な体験場所ですね。

霊峰高滝山の滝行はどんな体験か

山伏でもある住職が、最初から最後まで同行する

この滝行のいちばんの特徴は、山伏でもある二尊院の住職が直接案内してくれることです。山口県観光連盟の紹介ページでも、初めての方でも安心して挑めるポイントとしてここが挙げられています。

滝行というと「いきなり水に入る」ようなイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、ここはとくに全くその逆。受付から解散まで、ずっと住職と一緒です。丁寧に安全にガイドをしてくださいます。滝行前にはホラ貝を吹いて安全を祈願してくれる、という体験レポートもありました。

滝行のあいだの様子は、住職もしくはスタッフがスマートフォンで撮影して、あとからデータを送ってくれます。自分では絶対に撮れない写真なので、これは素直にうれしいところ。

唱えるのは「南無高滝大権現」

滝に入る場所が決まったら、まず「南無高滝大権現(なむたかたきだいごんげん)」と、この滝の神様のお名前を5回ほど大きな声で唱えます。そのあとは唱え続けてもいいし、静かに自分の内側と向き合う時間にしてもいい、と案内されるそうです。

ここで安心してほしいのは、事前に何かを覚えていく必要はないということ。唱える言葉は当日その場で教えてもらえます。宗派や施設ごとの言葉の違いが気になる方は滝行で唱える言葉ガイドもどうぞ。

体験時間60分、集合から解散まで約150分

公式サイトによると、滝行の体験時間は60分~90分程度、集合から解散までの所要時間は約150分〜。おおよその流れは次のとおりです。

  • 宿坊「えんとき」に集合、受付
  • 注意事項と当日の流れの説明
  • 二尊院の本堂で安全祈願
  • 各自の車で高滝山へ移動、山道を歩いて滝へ
  • 五体を清めてから入滝。滝の中で経を唱える
  • 着替え・解散。現地でドリンクのサービスあり

滝行が終わったあとドリンクのサービスもあります。冷えて消耗した体に、こういう一杯があるのはありがたいです。


予約は主に公式とアソビュー──宿泊プランもあり

さて、ここが本題です。二尊院の滝行には申し込みルートが複数ありますが、滝行の中身は一緒です。

公式サイト(日帰り体験)滝行予約サイト「アソビュー」滝行宿坊に泊まるプランも
料金基本料金 2名まで12,000円(税込)
3名以上は1名につき6,000円追加
小学生以下3,500円
6,000円組み合わせる体験により変動あり

※公式サイトでもアソビューからも予約リクエスト可
1人あたり6,000円6,000円アソビューのプランでは20,000円〜(二食付)
※アソビューの宿泊プランでは滝行オプション6,000円/1名
人数2名〜2〜6名宿泊人数による
開始時間10:00/14:0010:00/14:001日目14:00〜2日目11:30
予約締切2日前の12:00プランの表示に従うプランの表示に従う
向いている人日程が決まっている方決済まで一度に済ませたい方遠方から来る方
複数の体験をじっくり味わいたい

公式サイトとアソビューでの滝行についてそれぞれご紹介します。
(この他にも長門市の観光予約サイト「ナガトリップ」からの予約リクエストも可能)

結論から言うと、滝行体験(日帰り)は料金は一緒ですので予約しやすい方で予約すればOKです。

公式サイトの滝行日帰り体験フォーム(基本料金制のしくみ)

公式サイトとアソビューでの料金表記が違うため、誤解されやすいところかもしれません。公式での基本料金は「2名まで12,000円(税込)」。3名以上になると、基本料金にひとりあたり6,000円が加算されます(小学生以下は3,500円)。

つまり、ひとりあたりに直すと6,000円なので変わりません。2名で12,000円、3名なら18,000円、4名なら24,000円。「12,000円」という数字だけを見て高いと感じてしまいがちですが、2名分の合計額だと分かればすっきりします。

滝行としては平均的な価格です。

この料金に含まれるのは、体験料・消費税・レンタル品(衣装、タオル、サンダル、着替え用テント)・材料費・保険料。レンタルがかなり手厚いのが二尊院の特徴で、ここが持ち物の少なさに直結しています。

開始時間は10時と14時の2枠。午前・午後それぞれ1日1組限定なので、日程が決まっているなら早めに動いたほうが確実です。これはアソビューも同様。

公式サイトでの予約締切は2日前の12時まで。公式の日帰り体験フォームから申し込み、お寺からの返信をもって正式受付になります。支払いは現地払いで、現金のほかクレジットカード・交通系IC・電子マネー・QRコード決済にも対応しています。

公式サイトではカレンダーで日程を確認することができます。

二尊院公式サイト

アソビューならオンラインで完結する

予約サイトのアソビューという選択肢もあります。「霊峰高滝山滝行体験」プランが6,000円〜、所要は約2時間45分〜、予約人数は2〜6名です。こちらも公式サイト同様に、「予約リクエスト」をして、返信を待って確定という流れになります。

滝行の体験時間自体はそこまで長くありませんが、説明・参拝や移動も含むので全体で2時間30分ぐらいをみておくとよいかもしれません。

タオルやビーチサンダルが料金に含まれている旨がプラン名に入っていて、空き日程の確認から決済まで一度に済ませられます。口コミも30件以上ついているので、参加した人の声を先に読めるのも安心材料になります。9歳のお子さんを含む親子3人で参加して、子どもがもう一度やりたいと言い出すほど楽しめた、という投稿もあります。リピーターさんもいるほど満足度は高いようです。

公式サイトでもカレンダーで日程が見られますが、体験可能日はアソビューの方が見やすいかなとは思います。まずは口コミと、予約可能日をチェックしてみてください。

💧 体験を予約する

二尊院・霊峰高滝山の滝行体験をアソビューで探す

6,000円〜・2名から。衣装、タオル、サンダル、着替え用テントのレンタル込みで、山伏でもある住職が同行します。空き日程の確認から決済までオンラインで完結。

※ プラン内容はアソビュー公式でご確認ください。

参加条件・服装・持ち物と、冬に実施がない理由

年齢制限と、参加を控えたほうがいい体調

公式サイトの滝行体験ページでは、対象年齢は9歳〜74歳、18歳以下は保護者の同伴が必要とされています。予約サイト側では上限を80歳と案内している場合もあるので、ご高齢の方が参加を考えているなら、申し込み時に直接確認するのが確実です。

そして、ここは必ず読んでおいてほしいところ。公式サイトでは、次のいずれかに当てはまる方は参加できないと明記されています。

  • 高血圧の方
  • 心臓・脊椎・首に疾患のある方
  • てんかん、過呼吸の症状をお持ちの方
  • 飲酒後の方
  • 参加により悪化するおそれのある症状をお持ちの方
  • 妊娠中、または妊娠の可能性のある方

健康状態や年齢によっては診断書の提出を求められることもあります。冷たい水に入るという行為は、体にはっきりした負荷がかかります。少しでも不安があるなら、申し込みフォームの備考欄に書いておけば主催者から回答がもらえるので、黙って参加するより先に相談してしまったほうが安全です。

なお、キャンセルの規定は予約したルートによって案内が異なります。無料と書かれている窓口もあれば、前日・当日にキャンセル料が設定されている窓口もあるので、申し込む画面の表記を確認しておいてください。

女性は上下水着など着用。着替え用のテントが用意される

行衣(ぎょうい)は料金に含まれているので、自前で用意する必要はありません。そのうえで、公式サイトが「準備するもの」に挙げているのは水着と持ち帰り用の袋。山口県観光連盟の案内では、水着は女性のみと書かれていますが、男性も一応用意しておくと安心かなと思います。

白い行衣は濡れると透けます。ここは滝行スポット共通の注意点で、下に着る透け防止の着衣が必要です。上下の水着か、もしくは速乾素材のスポーツブラとスパッツの組み合わせも楽です。

山の中なので更衣室やシャワーはありませんが、女性用に着替え用のテントが用意されます。女性ひとりで参加するのはやっぱり不安、という声をよく聞くのですが、この点への配慮があるのはうれしいです。服装の詳細は女性の滝行服装ガイドにまとめています。

持ち物リスト──実はかなり身軽で行ける

区分内容
必ず持っていくもの水着、持ち帰り用の袋
あると便利ビーチサンダル(しっかりしたものが望ましい)、虫よけ、タオル
レンタルに含まれる衣装(行衣)、タオル、サンダル、着替え用テント

「あると便利」に虫よけが入っているのが、いかにも自然の行場らしいところです。滝までは山道を歩くので、夏場は特にあったほうがいいと思います。髪の長い方は、結ぶためのゴムとタオルを多めに。

👗 女性の装備を揃える

行衣の下に着たい|行衣の下に着る──透け防止のインナー

白い行衣は濡れると透けます。白・ベージュ系の速乾スポーツブラ+スパッツなら、そのまま滝行に入れて着替えも楽です。二尊院はレンタルが手厚いぶん、ここだけ準備しておけば安心。

12月〜3月は実施がない

予定を立てる前に確認しておきたいのが実施時期です。公式の日帰り体験フォームでは、滝行の項目に【12月〜3月不可】と明記されています。つまり、体験できるのは4月から11月まで

年始や受験前に気持ちを引き締めたい、という理由で冬の滝行を考える方は少なくないのですが、ここは季節を選ぶ必要があります。4月上旬や11月下旬も、山の水はかなり冷たいはずです。冬の滝行そのもののリスクについては冬の滝行は大丈夫?で詳しくまとめているので、寒い時期に検討している方は先に目を通してみてください。

アクセスと、滝行のあとの過ごし方

車が基本。バス停からは徒歩2分

項目内容
住所山口県長門市油谷向津具下3539
(集合場所の宿坊えんときは3542-2)
中国自動車道「美祢IC」から約60分
バスブルーライン交通「二尊院」バス停から徒歩約2分
駐車場無料・予約不要(15台)
開始時間午前の部10:00/午後の部14:00(各1日1組)

二尊院があるのは、本州の最北西端にあたる向津具半島。バス停は目の前ですが、滝行では各自の車で高滝山へ移動するため、車があるほうが圧倒的に動きやすいです。公共交通機関だけで向かうなら、宿坊プランを選ぶとよいかもしれません。車がなくても対応可能がどうか、ご住職さんにご相談してみるとよい思います。

楊貴妃の里と、油谷湾の夕日

せっかく半島の先まで行くので、滝行だけで帰るのはもったいないです。境内に隣接する「楊貴妃の里」は唐の都・長安をイメージして整備された中国風の公園で、白い楊貴妃像が立っています。

境内から見える油谷湾の夕日もよく知られていて、写真を撮りに来る方やツーリングで立ち寄る方も多いのだとか。季節が合えば、3月の梅林と4月の楊貴妃桜も見どころになります。

滝行のあとは体が冷えているので、温泉に寄って帰るのがおすすめです。長門市には長門湯本温泉、少し足をのばせば油谷湾温泉もあります。遠方から来るなら、このあたりで1泊してしまったほうがゆったりできます。

じゃらんだと「星野リゾート界長門」などもありますね。

🏯 料金を比較する

長門湯本温泉・油谷湾エリアの宿の最安値をチェック

二尊院は本州最北西端の向津具半島。滝行で冷えた体を温めるなら、長門湯本温泉や油谷湾温泉に1泊するのがおすすめです。萩・角島とも組み合わせやすいエリア。じゃらんには「星野リゾート 界 長門」もあります。

※ プラン内容・料金は各予約サイト公式でご確認ください。

山口県内で、ほかに滝行ができるところ

「山口県で滝行」で探している方のために、もう1か所だけ。山口市吉敷の龍蔵寺(りゅうぞうじ)でも滝行体験を受け付けています。1300年の歴史をもつ山口市最古の名刹で、行場となるのは山口三名滝のひとつ「鼓の滝」。山口市の資料では高さ35mの三段の滝とされています。

山口県観光連盟の案内によると、料金は滝行初回3,000円(滝衣レンタル込み)+拝観料200円で、通年の受け付け。ただし電話予約制で、滝行は1回5名・最少催行も5名程度とされているため、少人数だと日程が合わせにくい面があります。2名から確実に組んでもらえる二尊院とは、そこが対照的です。湯田温泉から車で10分ほどなので、こちらは観光との組み合わせがしやすい立地。

まとめ

  • 二尊院は楊貴妃伝説で知られる長門市の古刹。ご本尊の二尊仏は国指定重要文化財
  • 滝行は境内ではなく、修験霊場の霊峰高滝山へ移動して行う。人工物のない自然の滝
  • 山伏でもある住職が最初から最後まで同行する。唱える言葉は当日教えてもらえる
  • 公式の日帰りは基本料金2名まで12,000円(=ひとり6,000円)。アソビューなら6,000円〜でオンライン完結
  • 宿坊「えんとき」に泊まるプランもあり。ご本尊の特別参拝もついてくる
  • 持ち物は水着と持ち帰り用の袋。衣装・タオル・サンダル・着替え用テントはレンタル込み
  • 実施は4月〜11月。12月〜3月は受け付けていない

中国地方で滝行ができる場所は多くありません。そのなかで、住職が同行してくれて、レンタルがここまで揃っていて、2名から受け付けてもらえる二尊院は、はじめての一歩としてかなり心強い選択肢だと思っています。

ほかのエリアと比べてみたい方は中国・四国・九州の滝行スポット8選、全国からまとめて探したい方は滝行体験の探し方ガイドもあわせてどうぞ。そもそも滝行とは何か、というところから知りたい方は滝行とは?完全ガイドを先に読んでいただくと、当日の景色が変わってくるはずです。

よくある質問

Q. ひとりでも参加できますか?
A. 公式の日帰り体験フォームもアソビューのプランも、受け付けは2名からとなっています。どうしてもひとりで参加したい場合は、お寺に直接相談してみてください。宿坊に泊まる形なら1名から申し込めるプランもあります。

Q. 泳げないのですが大丈夫でしょうか?
A. 滝壺を泳ぐわけではないので、泳力は必要ありません。ただし自然の滝なので、その日の水量や足場の状況は変わります。住職の指示に従って、無理をしないことがいちばん大切です。

Q. 冬でも体験できますか?
A. できません。公式の日帰り体験フォームで12月〜3月は不可と案内されています。4月〜11月のあいだで日程を組んでください。

Q. 京都の二尊院でも滝行はできますか?
A. 別のお寺です。滝行を行っているのは山口県長門市の二尊院で、京都・嵯峨野の二尊院とは関係がありません。検索するときは「二尊院 山口」「二尊院 長門」で調べると迷いません。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ITワーカーのリサーチキュレーター。日本の伝統的な修行文化に興味があり、写経や坐禅を実践しています。滝行も「興味はあるけど一歩踏み出せない」気持ちに寄り添いながら、滝行文化について丁寧に調べて、誠実にお伝えしています。

目次